帰化申請をされる方が不動産を所有されていて、その不動産を親族に有償で貸している(つまり家賃をもらっている)場合は、家賃収入ありとして確定申告をする必要があります。もし確定申告をしていない場合は、収入があるのに確定申告をしていないということになり、そのままでは帰化を許可してもらうのは難しいでしょう。

帰化申請をご依頼いただいた場合は、その方が所有している不動産についてお聞きしますので、所有不動産を親族に貸して家賃をもらっている場合は、「確定申告が必要ですよ」という説明をします。なお、所有不動産を親族に貸していても無償(つまり家賃をもらっていない)の場合は、「無償であること」を法務局へ報告する必要があります。

逆のパターンで、帰化申請をされる方が親族が所有している不動産を借りている場合については、
家賃を払っているとき→帰化申請の際に「賃貸借契約書」の提出が必要であり、
家賃を払っていないとき→その不動産所有者に「無償で使用させています。」という内容の文書を書いてもらい、帰化申請の際にその文書を法務局へ提出する必要があります。

他人である第三者に不動産を貸している場合や第三者から不動産を借りている場合は、こういった確定申告や書類が必要ということはご存知でいらっしゃることが多いのですが、ご親族のあいだのやり取りの場合、そもそも賃貸借契約に関して書面を交わしていないというようなケースも見受けられます。しかし、帰化申請手続きにおいては、有償なのか無償なのかは明確に説明が必要ですし、確定申告や賃貸借契約書の取り交わしも必要となります。

帰化申請後の面接の際に、通帳を持参するように指導があり、定期的な収入等の記帳が家賃収入であれば、確定申告書の控えや所得証明書、納税証明書を提出するように言われます。ご自分で帰化申請をする場合は、何から始めればいいのか、どこで何の手続きをすればいいのかがわからずそのまま放置してしまうという方も少なくありません。もし、法務局から追加で求められた書類を提出しないままでいると帰化が不許可になってしまうおそれもあります。

帰化申請をお考えで、ご自身の不動産を親族に貸している場合など、ご心配な点がおありの方は一度相談してくださいね。