帰化申請の際に必要となる書類の一つに、「出生届記載事項証明書」があります。

出生届を出した日本の役所に請求するのですが、当然申請者ご本人が届出をしたわけではないので、「いったいどこの役所に提出したのか?」を探すのに苦労することがあります。

① 当時住んでいた住所地の役所
② 出産した病院の住所地の役所
③ 母親の実家の住所地の役所

出生届を出した役所は、通常は上記の①②③のどれかと考えられるのですが、①②③に順番に請求してもすべての役所から「ない」と言われることもあります。しかし、それを法務局に相談すると、申請者ご本人の年齢が若いときは「ないはずがない」と言われてしまいます。

出生後しばらくたってから届け出している場合もありますので、親切な市町村役所であれば出生した年月日から長期間にわたって出生届が提出されていないか調べてくれることもありますが、なかには出生した年月日から1年間分しか調査しないという役所もあります。

その役所に出生届が出ていない場合は、大阪でしたら「〇〇年から〇〇年まで探しましたが、(出生届が)見当たりませんでした」という「お知らせ」を発行してくれます。しかし、こういった文書を発行していない役所も多く、申請書に「該当なし」などの印を押して返送されることがほとんどです。

証明書の発行に厳しい役所もあって、生年月日と名前がすべて一致しないと発行してもらえないこともあります(大阪で請求することが多い、ある区役所がそうです)。

はじめはご本人からお聞きした情報を元に請求するのですが、ご本人の苗字や母親(父親)の名前や生年月日が微妙に違うと、市区町村役所で「発行できません」と言われてしまい、再度、韓国戸籍と翻訳文を添付して請求しても、同じ理由で出してもらうことができなかった、というケースもありました。しかも市区町村役所からは、「ない」わけではないので、「ないお知らせ」も出せないと言われます。

この出生届記載事項証明書はあくまで一例であり、帰化申請に必要な書類を取得するために、すべての正確な情報を揃え、それを証明するものが必要となると、申請者ご本人のご両親が健在な場合であっても、かなり手間がかかることもあります。

自分では簡単に揃えられると思ってたのに、現実はなかなか思うように書類が集まらず、「ないはずはない」という法務局と「あるけどだせません」という市町村役所の板挟みになって、どうすればいいか困ってしまい、ストレスになってしまうという方もおられると思います。

そういったとき、専門家にご相談いただくことで、今までの経験に照らしてアドバイスを受けることができたり、相談することで書類が集まらないストレスが緩和されることもあるかと思いますので、ご自身で進めようとしたけれどなかなか進まないという場合は、お気軽にご相談いただければと思います。