2014年の「自分で帰化申請する場合にかかる費用」についてコラムでご紹介してから3年がたちますが、帰化申請の必要書類が変わったり、証明書や戸籍の料金、地下鉄の交通費が変わったことで、かかる費用も増えています。

2015年2月より、帰化申請の際の必要書類として 自己の出生時より前に編製された戸(除)籍謄本がすべてが必要になり、自分で帰化申請ををしようと思っている方にとっては、韓国戸籍の翻訳料金(特に除籍謄本の翻訳料金)の負担が大きくなっています。

2016年11月30日からは 韓国の「家族関係登録簿等の証明書交付申請」の種類が増え帰化申請で必要なのは、「詳細証明書」になりました。また、証明書や、除籍謄本の値段は1通110円(平成29年1月現在)になっています。これは2014年と比較すると170円安くなりました。為替の影響です。

2017年年4月から大阪市では住民票が1通300円、納税証明書や課税証明書も1通300円になります。
大阪市住民票の写しなどの手数料の改定について【平成29年4月1日から】

2017年に、ご自分で帰化申請をする場合、翻訳以外どういうふうに手続きを進めていけばいいのでしょうか?またお金の面で見てどの程度お得なんでしょうか?

具体例

大阪市天王寺区在住の夫婦2人暮らし、夫は日本国籍で20代の女性、仕事はパート勤め、持ち家(マンション)です。国籍は韓国、両親も韓国籍(父は死亡)、特別永住者、運転免許あり、パスポートあり、姉はすでに帰化をしています。夫と同じ戸籍に入りたいので、今回帰化をすることにしました。

1、大阪法務局での相談

住所地の管轄の大阪法務局(谷町線 天満橋駅下車3番出口)に相談に行きます。この日は仕事が休みでした。

所在地はこちら大阪法務局

大阪法務局で必要書類一覧表と帰化許可申請のてびきと申請用紙をもらいました。
「帰化許可申請のてびき」には書類の書き方がくわしく書いています。交通費がかかりました電車代往復480円です。

2、住民票等の請求

まずは、住民票が必要です。天王寺のサービスカウンター(あべちか)で取れました。1通で200円でした。(平成29年4月から300円)また、夫の日本の戸籍謄本も必要で、取るのに450円かかりました。

さらに、自分の出生記載事項証明(大阪に届出しています)、父の死亡届記載事項証明書を請求しました。それぞれ350円で合計700円かかりました。
両親の婚姻記載事項証明書は婚姻日を母親に聞いてから請求しようと思いました。(この書類をとるには350円かかります。)

所在地はこちらあべちか大阪市サービスカウンター

3、自動車安全運転センターから運転記録証明書を取り寄せ

運転記録証明書の請求は、法務局で「払込取扱票」をもらったので、郵便局で入金しました。630円と送料80円です。(天王寺ミオ3Fにある郵便局)

郵便局はこちら天王寺ミオ郵便局
送付先はこちら自動車安全運転センター

4、韓国戸籍等の取り寄せ

今日は、韓国領事館へ行きます。地下鉄「なんば」駅25番出口です。電車代往復480円、本籍は婚姻届け提出の際に調べてます。

自分の基本証明書、自分と両親の婚姻関係証明書、自分と両親の家族関係証明書、入養関係証明書、親養子入養関係証明書、父(死亡)の基本証明書、1通110円ですので(平成29年1月)合計10通で1100円かかりました。領事館の職員さんには帰化に必要な戸籍全部が欲しいと頼みました。

駐大阪大韓民国総領事館ホームページ家族証明書

韓国領事館の領事手数料手数料

5、韓国戸籍等の翻訳

自分で翻訳ができれば0円、知り合いなどに翻訳を頼む場合は交渉次第でしょう。

※当事務所では韓国戸籍、証明書のコピーを送っていただきましたら、帰化申請用の翻訳(翻訳者の署名、押印)を1枚1,500円でお受けしています。(レターパック代500円追加)「お問いあわせ」よりご連絡ください。

尚、除籍謄本の場合も翻訳料1枚1,500円になります。

詳しい流れ韓国戸籍・証明書の翻訳について

当事務所にご依頼いただきましたので、今回は証明書は10通ですので15,500円です。(レターパック代500円含む)

除籍謄本の翻訳料金は個々でかわります。除籍謄本の翻訳について

なお、翻訳料金が通常の帰化申請料金より高くなる場合は、通常の帰化料金に変更することが可能です。

例)翻訳料金が108,000円以上になる場合は、本件の場合すべて込み料金は100,000円(税別)ですので、書類の作成、申請日の同行もある通常の内容になります。

6、市府民税の納税証明書と所得証明書の取得

天王寺区役所で、市府民税の納税証明書と所得証明書をとりました。1通250円なので夫婦4通で1000円かかりました。(平成29年4月から1通300円)

所在地はこちら天王寺区役所窓口サービス課

姉が帰化をしているので、姉の戸籍謄本が欲しいと頼みました。戸籍謄本は450円ですが、代金はいいと言われました。

7、大阪法務局での書類点検

運転記録証明書も送られてきましたので、大阪法務局へマンションの登記簿謄本請求と書類点検に行きました。マンションなので、建物の登記簿謄本1通600円になりました。交通費480円がかかりました。今日は仕事が休みでした。帰化に必要な書類がだいたい揃っていましたので、指摘された部分を直して次回は申請しようと思います。控えも含めてコピーが70枚くらいありました。1枚10円として700円です。写真は自分で写してパソコンで印刷しました。

8、大阪法務局で帰化申請

申請日も会社が休みの日にしました。。なんとか申請できました。交通費480円がかかりました。
次は3ヵ月後くらいに面接があるそうです。交通費480円がかかります。

以上がご自身で帰化申請する場合の流れ、そしてかかる費用の具体例です。

さて、トータルでどれぐらいお金がかかったでしょうか?

交通費が2,400円
日本の書類代金が1,700円
家族関係証明書代金が1,100円(除籍謄本が何通になるかは不明です。)
証明書だけの翻訳料金は 15,000円です。(除籍謄本の翻訳枚数によって金額がかわります。)
その他3,510円です。

除籍謄本翻訳料以外の基本合計金額は23,710円

除籍謄本の翻訳枚数がプラスされますので、翻訳枚数が何枚になるかが分岐点ですね。

時間的な負担についてまとめてみると、大阪法務局は予約がなくても行けるのと、パートの仕事が休みである平日の時間帯を有効に活用しました。

大阪法務局や東大阪支局以外の法務局は予約制になっていますので、仕事を休まなくてはならない場合もあります。

韓国の本籍もわかっていて、身分関係も問題がなく、書類作成や行政でのやりとりなどがわずらわしいと思わない方はご自分で申請すると費用は低くおさえられますが、やはり翻訳枚数次第ですね。

上記例は、特に問題がない場合のケースですが、実際はいろいろと問題が出てきて挫折する方も多いです。ご自身で進めていて、問題が出てきてしまったという場合は、行政書士にご相談いただければと思います。