韓国領事館とは、正式名称を「駐大阪 大韓民国 総領事館」といい、大阪中央区西心斎橋にあります。

最寄の駅は地下鉄なんば、近鉄なんば、南海なんば駅です。駅から御堂筋に沿って(本町方向)ちょっと歩くのですが、警察官の物々しい警戒と警察車両が目印というくらい、ある意味わかりやすいです。

細い階段を上ると正面に入り口があって、もう一回右の入り口から入るようになっています。何かあっても逃げにくい造りだなぁと考えてしまいます。

入ってすぐに優しそうなお兄さんかお姉さんがいてわからないことがあっても、流暢な日本語で答えてくれます。

中央には必要な書類を請求する用紙が何種類か置いていますので、ひたすら記入するだけです。もちろん、ハングルと日本語が書いてます。本当に親切です。

それから番号札をとって呼ばれるまで、待合席には雑誌があったり、正面のスクリーン(テレビ)では韓国のきれいな景色と美味しそうな食事映し出されており、ぼーーと見てしまいます。

ちょっと余裕ができると皆何をするために来てるのか気になります。若い女性はパスポートのようです。ちょっと年配の夫婦は多分相続です。窓口のお兄さんに本籍がはっきりしないからわからないとか言われてます。

窓口は4人くらいですが、だいたいは3人くらいで処理しています。「窓口での会話は今後のためにすべて録音してます」と日本語でも書いています。

先日も3人体制で事務処理をされていたのですが、右側では英語、私はもちろん日本語、左側はハングル、言語のミックスジュースのようでした。普通に3ヶ国語話せるなんて(もっと話せるのかもしれませんが)うらやましいと思いました。

さて、私が領事館に行ってすることというと・・帰化申請される方の本籍地探しや証明書の取得です。

帰化される方の中には、本国の本籍地を知らないという方も多くいらっしゃいます。(外国人カードにきっちり番地まで入っていると「ほっ」っとします…)

かつては「民団」(在日本大韓国民団)が韓国籍パスポートの申請、韓国の戸籍の処理などを多くされていましたが、今はほとんどの方が「民団」には入っていないと答えますので、韓国人の方でもご自身の戸籍についてよく知らないという方が多いです。

外国人カードには、本籍地の番地がないことが多く、出生記載事項証明書にでも載ってないかと藁にもすがるつもりで見ても「韓国」とか「朝鮮」いたってシンプルな表現。そこで、領事館で謎解きのような本籍地探しを行うわけです。

領事館の窓口も他の人たちがたくさん待ってますから、番地の記載がない住所で戸籍を探してほしいと言っても、と窓口の方に「記録がない」と言われてしまいます。

国籍を「朝鮮」と記載している場合などは「ここは韓国なのでない」と言われます・・・外国人カードに記載されている住所は韓国なんですけどね。

本人の生年月日が違うから出せないといわれたこともあります。日本の書類でも同じ人なのに、出生、婚姻、離婚、死亡記載事項証明書に記載されている日に微妙に違う人が多いですね。

日本の書類を訂正してから来てくれといわれたのですが、もう亡くなっていた方だったので、他の書類等で判断して職員ではなく領事の判断で出してもらいました。

今はあまり見かけることが少なくなりましたが、かつては、西暦ではなく檀紀4290年とかいう表示にびっくりしたことがありました。

※檀紀(だんき)とは?大韓民国で一時使用されていた年号
「1948年(檀紀4281年)9月25日に檀紀使用に法的根拠を与え、公式な場で使用を開始した。しかし1961年(檀紀4294年)12月2日に朴正煕が年号廃止の法令を制定、1962年1月1日からは公式な場での使用が禁止され、公文書では西暦が使用されるようになった」

韓国でも市町村合併があって、新しい住所になっていると古い本籍の住所を見て「記録がない」とも言われます。

複雑な案件は韓国事情に詳しい人と一緒に同行してもらいますので「ここは以前、~という町だった」と教えてもらい、それを事務官に伝えて見つかった場合もあります。韓国事情に詳しい人のネットワークはありがたいです。

場合によっては領事館に戸籍がなくて韓国に直接請求しなければならないこともあります。

このように、韓国の本国籍を探すのはなかなか大変なものです。もし何かでお困りでしたら、ぜひ一度当事務所まで相談してくださいね。