法人(会社)役員が帰化申請をする場合は厚生年金保険・健康保険両制度に加入していることが絶対に必要なので、申請書類として年金事務所が発行した保険料の領収書などの写し1年分が必要になります。

会社役員の帰化の相談の際に国民年金や国民健康保険に加入しているからいいのではないかと言われることがありますが、この場合は帰化申請できません。

なぜなら、法人は強制適用事業所になるので、厚生年金保険・健康保険両制度に加入することは当然であって、加入していないということは、順法精神がないとみなされるからです。

全ての法人事業所(事業主のみの場合を含む)と農林水産業やサービス業の一部を除く5人以上の事業所は、厚生年金保険・健康保険両制度に加入し、従業員を厚生年金保険・健康保険の被保険者として、資格取得の届出を行っていく必要があります。また、事業主が負担すべき保険料と従業員が負担すべき保険料とを一括して、毎月納めなければなりません。

 

現在、当事務所が帰化申請の相談を受けた方で保留となっているケースで一番多いのが、厚生年金の未加入です。ご自分が社長、代表取締役の場合はいずれは加入しないといけないと思ってた、と決断、実行も早いのですが、自分以外の親族が代表取締役などの場合は、厚生年金に加入するといくら会社の負担が増えると思ってるのか・・、ということで現時点で加入してもらえないというケースです。

残念ですがこのようなケースでは、帰化申請を受け付けてもらえません。

 

先日、会社を解散(清算)する場合の帰化申請も相談されましたが、この清算する会社も厚生年金に加入していませんでした。では、清算手続きが完了すれば帰化申請ができるのかな?と思っていましたら、清算した会社も2年分の納税証明書等が必要であり、当然年金事務所が発行した保険料の領収書などの写し1年分も必要と言われました。

つまり、会社の清算が終了しても、保険料を納めた実績がみられるため、未加入の状況ではすぐには帰化申請できないということになります。

 

法務局は法人(会社)の厚生年金加入は順法精神の見地から絶対に必要という見解です。法人(会社)役員で帰化申請を考えている方はまず、厚生年金保険・健康保険両制度に加入しているかを確認してください。加入されてなかったら速やかに加入しましょう!