「夫が日本国籍なので、帰化を考えている」というご相談をよく受けます。なかには離婚を考えているので、今のうちが帰化しやすいのではというご相談もあります。

確かに、帰化で必要な生計要件は配偶者に収入があるほうが有利です。

離婚を考えていない方は、さしあたり不都合はないのですが、今後何か不都合なことがあるのか知りたいと言われます。

夫が日本国籍、妻が韓国籍の場合に、人生の様々な場面で起こりうることについて、以下ご案内したいと思います。

1.結婚して子供が生まれた場合
子どもは日本国籍の夫の戸籍に入ることになります。韓国籍の妻については、日本の戸籍に婚姻の事実と国籍、名前、生年月日が記載されるだけです。
  
2.離婚した場合
戸籍に離婚の事実は記載されますが、元妻に親権があっても子どもは夫の戸籍にそのまま残ります。

離婚をして母親に親権があるのに子供は元夫の戸籍に入ったままなので、親子関係の証明が必要な時や、子供の戸籍が必要な時の請求がわずらわしい、といったご相談を非常によく受けます。

3.再婚した場合
日本人である夫が再婚し、再婚相手である女性が夫の戸籍に入ることになった際、前妻の子供が戸籍に入ったままの状態となっています。

そのため、再婚相手に気まずい思いをさせる、元妻が子どものために戸籍を請求すると再婚相手の情報まで記載されているので知られるのがいやだ、など、離婚や再婚をした場合もわずらわしい思いをするという方もいらっしゃいます。

離婚も再婚もしない場合、特に問題はないのですが、家族で海外旅行に行く際、日本国籍でない妻だけ出入国手続が煩わしく時間がかかり、空港などで別行動にならざるを得ない状況で家族がバラバラになったり、長い時間待たされて疎外感を感じるとお話しされる方もいらっしゃいました。