独身の方の帰化申請相談の中でけっこう多いのが、カップルで同棲していらっしゃるというケースです。

将来の結婚や、子供が生まれた時を想定して早い段階で帰化申請をしておきたいというご意向をお持ちの方が多いです。

帰化申請ではカップルが同じ住所に一緒に住んでいる、同棲=事実婚となりますので、親族の概要ではフィアンセ(婚約者)などの表記ではなく、女性でしたら内妻、男性でしたら内夫と書きます。婚姻届をだしていないだけの事実婚の内縁の夫婦と見るわけです。

したがって、帰化の条件のひとつである、生計条件(国籍法第5条第1項第4号)は、「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」と記載されていますので、同棲(事実婚である)ということは、生計を一にする配偶者その他の親族の範疇に含まれることになります

帰化申請に際しては、申請する本人以外(同居人)も収入を証明するもの、会社員でしたら、給与明細書、源泉徴収票、市府民税の所得証明書、納税証明書、自営業でしたら確定申告書の写しや納税証明書などが必要になりますので、ご依頼の際にはこのことを相手方に伝えて、きちんと承諾をいただいてから話を進めるようにしています。

内縁の夫婦の場合は法律上の正式な夫婦ではありませんので、帰化申請に必要な戸籍などはご本人に請求してもらわなくてはならない場合もでてきます。さらに面接の際は一緒に呼ばれることもありますので、場合によっては仕事をお休みしなければならないこともあります。

こういうことが面倒だからと同棲の事実を隠して帰化申請をされる場合もあるらしく、先日ある相談員さんから聞いた話では、賃貸契約書をみたら同居人の名前が載っているからすぐわかる。また、おかしいと思ったら親族などに確認の電話をするそうです。

提出書類には自宅付近の地図を提出しますので、特別永住者でも調査される場合があります。

帰化申請は提出する書類も多く、様々な資料などから判断をされるわけですから虚偽の申請にならないようくれぐれも注意してください。