帰化を希望される理由は申請者の方によって様々で、また時代によって幾分変わってきてるように感じます。

最近は、ご自身が親の相続で大変だったので、子どもには負担をかけたくないという理由で帰化をお考えの方が増えているように感じます。

帰化をお考えになる理由として多いのは…

・就職(公務員など 国籍で制限があるなど)

・結婚(配偶者の家族が日本国籍になることを望んでいるなど)

・マイナンバーカード(特別永住者の場合、韓国名と通称名が記載され、会社に国籍がわかってしまうなど)

・マイナンバーカードが保険証になる(本名で呼ばれるのではないかという不安など)

・遺族年金の請求(夫婦であることの証明や手続が煩わしいなど)

・家族が日本国籍の場合、一緒に海外に行く際の手続(外国人になるので、手続が複雑、待ち時間が長いなど)

どうして相続のために帰化をお考えになるのか

上記のように、帰化をお考えになる理由は人それぞれですが、どうしてご自身の相続のために帰化をしたいとお考えになるのか…

それは、日本における相続手続きの煩雑さが理由だと思われます。

生まれてからずっと日本で生活されており、日本でマイホームを購入し、日本の銀行で預貯金があるといった方でも、いざ相続が発生すると本国の戸籍謄本と翻訳文が必要となります。

若い世代の方ですと、ご自身の本国における本籍地をご存じないというケースもあります。

ご自身の親御さんが帰化されておらず、日本で相続手続きをするときに本国から親御さんが生まれてから亡くなるまでの戸籍を取り寄せたり翻訳を頼んだりと大変だったので、自分の子どもにはできるだけ負担をかけたくない…とお考えになるようです。

(帰化されたとしても、帰化をして日本国籍を取得されるまでの期間については本国の戸籍が必要となりますが…この点については遺言書を作成するなどして対策が可能かと思います。)

通常は特に問題も感じないという方が多いのですが、帰化申請は準備から計算すると日本国籍取得まで1年近くかかります。

相続は誰にでも起こりうることなので、早めのご決断ということでしょうか。