自分で帰化申請をすることは、決してむずかしいことではありません。実際、法務局へ行くと自分で帰化申請をされている方もお見かけします。
大阪法務局の相談員さんにお聞きしても「自分で帰化の手続きをする人も多いよ!」といわれます。
平成26年2月からは今まで帰化申請に必要だった、「閉鎖外国人登録原票」が不要になり、法務省に請求するわずらわしさがなくなりましたので、ご自身でも手続きしやすくなったといえるでしょう。
では、ご自分でする場合、どういうふうに手続きを進めていけばいいのでしょうか、またお金の面で見てどの程度お得なんでしょうか?
具体的に例をあげて説明します。
具体例
大阪市天王寺区在住の独身、賃貸住宅に1人暮らし、20代の女性会社員
国籍は韓国、両親も韓国籍、特別永住者、運転免許あり、パスポートあり、兄がいて兄はすでに帰化をしています。
日本人男性と結婚を考えているので、今回帰化をすることにしました。
1、大阪法務局での相談
住所地の管轄の大阪法務局(谷町線 天満橋駅下車3番出口)に相談に行きます。この日は有給休暇を使いました。
大阪法務局 http://houmukyoku.moj.go.jp/osaka/table/shikyokutou/all/osaka_lab.html
大阪法務局で必要書類一覧表と帰化許可申請のてびきと申請用紙をもらいました。
「帰化許可申請のてびき」には書類の書き方がくわしく書いています。交通費がかかりました電車代往復460円です。
2、住民票等の請求
住民票が必要です。天王寺のサービスカウンター(あべちか)で取れました。1通で200円でした。
あべちか大阪市サービスカウンターhttp://avetika.osaka-chikagai.jp/shop_detail/id=199
自分の出生記載事項証明(大阪に届けています)も請求しました。350円です。
両親の婚姻記載事項証明書は婚姻日を両親に聞いてから請求しようと思いました。この書類をとるには350円かかります。
3、自動車安全運転センターから運転記録証明書を取り寄せ
自動車安全運転センターhttp://www.jsdc.or.jp/certificate/apply/
運転記録証明書の請求は、法務局で「払込取扱票」をもらったので、郵便局で入金しました。630円と送料80円です。(天王寺ミオ3Fにある郵便局)
天王寺ミオ郵便局 http://www.tennoji-mio.co.jp/shop/index.php?shopId=67
4、韓国戸籍等の取り寄せ
今日は、韓国領事館へ行きます。仕事を休みました。地下鉄「なんば」駅25番出口です。電車代往復460円、親から聞いた本籍で請求します。
自分の基本証明書、自分と両親の婚姻関係証明書、自分と両親の家族関係証明書、入養関係証明書、親養子入養関係証明書、1通280円ですので(平成26年1月1日より)合計9通で2520円かかりました。
※いずれも駐大阪大韓民国総領事館ホームページより引用
家族関係証明書についての説明です。 http://jpn-osaka.mofa.go.kr/worldlanguage/asia/osa/visa/family/index.jsp
韓国領事館の領事手数料です。為替等の影響で手数料はかわりますので注意! http://jpn-osaka.mofa.go.kr/worldlanguage/asia/osa/visa/family/index.jsp
5、韓国戸籍等の翻訳
翻訳はインターネットで探して依頼します。自分で翻訳ができれば0円、知り合いなどに翻訳を頼む場合は交渉次第でしょう。
※当事務所では韓国戸籍、証明書のコピーを送っていただきましたら、帰化申請用の翻訳(翻訳者の署名、押印)を1枚1、500円でお受けしています。(レターパック代510円追加)「お問いあわせ」よりご連絡ください。当事務所にご依頼いただくと、1枚1、500円で翻訳いたします。通常の場合でしたら9通ですので14、010円です。(レターパック代510円含む)尚、除籍謄本の場合は翻訳料1枚2000円になります。
(余談)反対に、ご自分で韓国証明書と翻訳文をご持参の場合は帰化申請の費用を割引いたします。ご自分で韓国戸籍等の請求ができて、翻訳も出来る方にとってはお得です!
6、市府民税の納税証明書と所得証明書の取得
天王寺区役所で、市府民税の納税証明書と所得証明書をとりました。2通で500円かかりました。
天王寺区役所窓口サービス課 http://www.city.osaka.lg.jp/tennoji/page/0000066113.html#1
兄が帰化をしているので、兄の戸籍謄本が欲しいと頼みました。戸籍謄本は450円ですが、代金はいいと言われました。
7、大阪法務局での書類点検
運転記録証明書も送られてきましたので、大阪法務局へ書類点検に行きました。交通費460円がかかりました。今日は仕事を休みました。
帰化に必要な書類がだいたい揃っていましたので、指摘された部分を直して次回は申請しようと思います。控えも含めてコピーが70枚くらいありました。1枚10円として700円です。
8、大阪法務局で帰化申請
申請日は午後にして会社は早退しました。なんとか申請できました。交通費460円がかかりました。
次は2ヵ月後くらいに面接があるそうです。仕事をあまり休めないので次回も早退にしようと思っています。交通費460円がかかります。
以上がご自身で帰化申請する場合の流れ、そしてかかる費用の具体例です。
さて、トータルでどれぐらいお金がかかったでしょうか?
交通費が2、300円
日本の書類代金が1、400円
家族関係証明書代金が2、520円
翻訳代金が14、000円
その他1、410円です。
合計金額は21、630円
次に、時間的な負担についてまとめてみると、
2日休み、2回早退しました。
独身の会社員1人暮らしは実費だけ見ると自分で帰化申請したほうがお得ですね。また、翻訳代が14,000円と全体に占める割合が大きいので自分で翻訳できるともっと費用は安くなります。
仕事を2日休んだり早退したことで給与が減額される場合はちょっときついですが、それでも費用面で見ればまだお得感はあります。
このように韓国の本籍もわかっていて、身分関係も問題がなく、書類作成や行政でのやりとりなどがわずらわしいと思わない方はご自分で申請すると費用はかなり低くおさえられます。
そのうえ、法務局や領事館まで自転車を使えば交通費もお得でダイエット効果もあるかもしれません!笑
上記は、特に問題がない場合のケースですが、実際はいろいろと問題が出てきて挫折する方も多いです。ご自身で進めていて、問題が出てきてしまったという場合は、行政書士に一度ご相談いただければと思います。
最新の情報はこちら 自分で帰化申請する場合にかかる費用は?(2017年版)