12月に入り、確定申告が頭をよぎる時期になりました。
帰化申請のご相談を受ける際、個人事業者と認識がない一人親方(主に建設業において従業員を雇わず個人で仕事を請け負う自営業者)の方で確定申告をされていないというケースをよくお見受けします。
一人親方をはじめ、個人事業者の方が帰化申請をする際には、確定申告の控えが1年分、所得証明書や納税証明書は特別永住者の方でも過去2年分が必要となります。
もし、確定申告をされていないという場合は、帰化を申請する前に、さかのぼって確定申告をしなければなりません。
いま税金や健康保険、年金保険料について免除を受けている方が、今からさかのぼって確定申告をすると、今後の負担が増えてしまうことを気にされて、帰化申請をあきらめる方もいます。
帰化申請に必要な他の書類は委任状で集められますが、確定申告はご本人様しかできませんので、確定申告に行ってもらうしかありません。確定申告書が必要な同居の親族の場合も同じです。
帰化を申請される方が法人の代表取締役(取締役)の場合も、法人の確定申告をしていないと、税務署へ納税証明書などを請求した際に、「申告をされてないので出せません」と電話がかかってくることがあります。
法人の取締役の場合は源泉徴収票や源泉徴収簿、源泉所得税の納付書の写しも要求されますので、確定申告は必至です。
行政書士が業務として行うことができるのは、帰化申請に必要となる書類の収集となりますが、確定申告をしていない方には、「確定申告をしてください。税務署へ相談に行ってください。税理士さんと相談してください。」とご本人様にお願いするほかありません。
前述のとおり、事業をされている方については帰化申請の際に確定申告をしていることが必須となりますので、帰化はしたいけど、確定申告はしたくないという方の帰化申請の依頼は、残念ながらお受けさせていただくことができません。「確定申告はしていませんが、帰化したい」という申請は、法務局に受け付けてもらうことができないのです。